FC2ブログ
一生ラルクさんについていきたい日記。
小説【Blame】・・・・・10
多分10話は今までのより長いです。
・・・というか、今まで1話、2話とか分けてた意味が分からなくなりました←
まあ、キリの良い所で区切ってるんですけどね。

多分後2話ぐらいで終わるかと(前も同じ事言ってたような)

そして注意
今回は多少「血」とかそういう感じの描写が含まれていますので(ストーリーの都合上;;;)、
苦手な方は読まないほうが良いかと。
あ~でもそこまでグロくないので多分大丈夫だとは思いますよ(笑




昨日の記事に拍手くださった方、ありがとうございました!
漫画の話で拍手もらったのは初めてです(笑
やっぱフェロマニ好きな人たくさんいるんですね!!ww























**
そして運命の時はやってきた。
12月25日。午後8時。
1年前の今頃は、菜穂とクリスマスを過ごしているはずだ。
あの時は楽しかったな。お金も無いのにケーキ食べよう、なんて言って・・・・・・

――やめよう。
過去の思い出に浸っていてはいけない。今に集中しなければ。
気を抜けば、確実に殺られる。それは確信。

「・・・・・・」
目の前に立つ壁は龍華組。ざっと数えて三十人。
龍華組から見る壁は狂鬼組。こちらもざっと数えて三十人ぐらいだろう。
数は同じ。力は・・・一人一人のものは分からないが、組長の戒狂さんと朋夜の力でいえば、戒狂さんの方が僅かに上だと聞いたことがある。
「・・・・・・・・・」
動かず、じっと互いの動きを見計らう時だけが過ぎていた。
街から大きく離れた港近くの倉庫。何の音も聞こえない。邪魔者も入ってこない。
だからこそ、銃撃戦が行える。
皆、片手に銃を一丁持っていた。もちろん僕も。
使いなれない物を持っていた。小刻みに震える手を必死に押さえながら。
いつ始まるのか。早く始まって欲しい。

そして早く死にたい。

菜穂のいない世界なんて考えられなかったから。僕がこの世に生きている意味なんて無いと思ったから。
銃なんかはただの見せ掛けで。もとから戦おうだなんて思っちゃいなかった。
殺されたら殺されたでそれでいい。撃たれたら撃たれたでそれでいい。
「・・・・・・お前、やる気あるんか?」
皆が沈黙していると、朋夜が急に口を開いた。
金髪に黄金の瞳。まさに悪、といった感じの風貌。
その眼は戒狂さんだけに向いていた。どうやら他の奴らには興味が無いらしい。
まあ、こちらに目を向けてもらっても困るのだけれど。

「今更何故そんなことを聞く?」
戒狂さんは怯みもせずに朋夜を見返す。
さすがだ、と思った。
そもそも僕は最初、龍華組と狂鬼組、どちらに入ろうか迷っていた。
けど最終的に、僕は狂鬼組を選んだ。
戒狂さんの方が、人としての感情があると思ったからだ。
僕の唯一の憧れの人、それが戒狂さん。
「‘何故’・・・?そげな弱そうな若造ばっかりつれてきおって、ちゃんと戦う気があるんか聞ぃちょるんよ」
朋夜の言葉は、僕の組の反感を買った。
一人、前に進み出る。
「お前いい加減に―――」
「やめておけ」
歯向かおうとするそいつを、戒狂さんが一言で制した。
「・・・・・・」
それだけで、そいつは素直に引き下がる。
戒狂さんは朋夜に向き直った。その表情は冷静で、微笑まで浮かべている。
「見た目だけで判断するのはやめてもらおうか。うちの奴らは皆優秀だ。ナメてもらっては困るな」
くくっ、と笑いを零す。
朋夜の眉が、一瞬だけぴくりと動いた。
「ほう・・・。そんな自信があるんならさっさと始めようや。いつまでもこうして突っ立っとってもしょうがないじゃろ」
「それもそうだな」
「ほんじゃあ」
「開始」
両者が銃を高く上に突き上げ・・・銃声が響いた。
それが開始の合図だった。

**

僕はすぐにでも撃たれたいと思ったけど、何もせずに死ぬという事は ‘戒狂さんへの裏切り’を意味する。少しでも敵数を少なくしてから死なないと。
そう思った僕は、物陰に隠れながら銃撃戦に没頭した。

**

開始の合図から、一体どれくらいの時間が流れたのだろうか。

僕は、まだ生きていた。

隠れながら殺っているせいか、あまり人に見つからないのだ。
物陰から出て行こう、なんていう勇気は僕には無い。見つかったら撃つ。ただそれだけ。
結局僕は臆病者だった。
そしてまだこの世にいる。
早く死にたいのに。けれど自分で死ぬ勇気は無い。
まだ死ねない。せめてこの戦いが終わるまでは。
どうせ最後に生き残るのは戒狂さんと朋夜だという事は分かっていた。
だから
朋夜に殺されて終わろう。
そう、決めた。

「・・・・・・・・・」
音が止んだ。
静寂。
冬の夜の冷たい風が、頬に当たる。髪をなびかせる。
寒いとは思わなかった。
身体よりか、心の方が冷たい。
凍り付いて、動かなくなってしまった時計の針のように。僕の心は‘あの時’から止まったままだった。
けれど感情だけは‘ここ’にある。
戒狂さんに言われたから。『決して感情だけは失ってはいけない』と。『感情を失った人間はただの抜け殻だ』と。そう言われたから。

「・・・・・・・・・・・・」
僕は、あたりを伺いながら物陰から出た。
誰もいなかった。いや、正確には生きている者がいなかった。
死体が、たくさん転がっていたのだ。腕から、足から、胸から腹から、血を流して倒れていた。
身体のあちこちに穴が開いている。
あまりの悲惨な光景に吐き気を催してしまう。慌てて必死に押さえ込む。
壊れて転がった者達に目を向けながら進んでいった。
四肢がバラバラになっていない事がせめてもの救いだ。

何処に二人がいるのかは分からない。とりあえず、歩いて探す。
と、少し歩いていると会話が聞こえてきた。
『お前も物好きなヤツじゃのぉ』
「・・・・・・!」
それは間違いなく朋夜の声だった。
僕は反射的に近くの物陰に身を隠す。物陰から少し顔を出して、二人の様子を伺った。
「別にそうでもないさ。貴様の見る目が無いだけだろう?」
「ふん・・・。優しさだけじゃこの世界はやっていけれん。お前だって分かっとるはずじゃろ?」
「力が強い者だけが生き残る、弱肉強食なんて世界は間違っている。一番大切なのは心だろう。優しいやつは強いものなんだよ」
戒狂さんの言葉は僕の胸に釘を刺した。それと同時に、‘やっぱり戒狂さんについて良かった’と思う。
僕にとっての太陽みたいな。
・・・僕も生まれ変わったらそんな人になりたいな。

この人の為に死ねるのなら本望だ。

「朋夜っ―!!」
叫び声を上げて朋夜の前に飛び出す。朋夜は突然現れた僕を見ても、驚くことなんてしなかった。
「何・・・まだおったんか」
気だるそうに僕を見る朋夜。
僕はその態度に少し苛付いた。
「もうこれで最後の弾なんじゃが・・・まあええか」
にっ、と。口の端を歪ませて朋夜が笑う。

そして。

「戒狂さん・・・ありがとうございました」

朋夜に銃を向けながらそう呟く。
同じく朋夜も僕に銃を向けていた。不敵な笑みを浮かべ。

朋夜が引き金を引こうとする瞬間、戒狂さんの舌打ちが聞こえて。

終わりを告げる最後の銃声が、港に響き渡った。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック