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一生ラルクさんについていきたい日記。
【Can't stop beliebing】・・・・・・5
1ヶ月ぶりのキャンスト。

前回「最終回になるかも」と書きましたがまだ最終話ではないです。←
一気に載せようかなーと思ったのですが、
最後の所は分けたほうがいいな、と思いましてですね。

次、次更新するときは本当に最終話です。

では、本編は追記からどうぞ。












***

孤児院の子供が皆息を引き取ったのを確認してから、抜け殻のようになったカイは外に出た。地面に膝を付いて、孤児院を静かに見つめる。
静寂に、一人の男が割って入った。
「カイ君・・・カイ君じゃないか!」
「・・・・・・・・・」
ゆっくりと声のした方に顔を向けると、そこにはよく見た顔があった。
「マリーの・・・」
「ああそうだよ。よく覚えていたね」
 マリーの父の笑顔に、カイは背筋がぞっとなった。何故だか分からないが、よく知られた人なのに危険に感じた。
「よく・・・生きていたね・・・・・・」
無意識に後ずさりをする。微笑む男は、とても不気味だった。
「皆と一緒に死んでおけばよかったものを・・・・・」
ぶつぶつと呟きながら、男は近付いてくる。カイは尻を地面につけたまま、男から徐々に離れる。
 「どうして・・・どうしておじさんが皆が死んだ事を知ってるんですか・・・っ!」
 男の動きが、止まった。
 そして、カイに微笑む。
 「私が、マリーにそうするように仕向けたんだよ」
 「・・・・・・!!」
 体中に、鳥肌が立った。
 男の微笑みは、今まで見たことも無いような禍々しい気を纏っていた。カイが吐き気を催すほどに。
 マリーは自分がやった、と言っていた。それは、この父に命令されて仕方無くやったということなのだろうか。
「どうしてっ・・・どうしてこんな事をっ・・・・・!!」
大切な仲間の命を奪ったものを目の前にして、カイは怒りを抑えずにはいられなかった。
「どうして?決まってるじゃないか・・・自分が生きるために」
「え・・・・・・・・・」
男はもう、微笑んではいなかった。
「兵隊達に連れて行かれたあの日、私は殺される事を覚悟していた・・・だが私は、私の能力を買った者たちに“研究員”として働くよう、命じられた。この意味が、分かるかい?」
まったく理解できなかった。問われたカイは、首を横に振る。
「薬の開発だよ」
「・・・・・・・・・!」
その言葉だけで、今ここにいる目の前の男を恨むには十分だった。カイは、男の言っている事が理解できたのだ。
この惨状の原因を作ったのは、この男。自分が生きるために、真っ白な子供たちを犠牲にした。つまりは、そういう事。
「ここじゃなくてもよかったはずだっ!」
そう。そんな研究、汚れた大人たちの間だけで十分。
「ここが一番近かったから。・・・しかし君は、おかしなことを言う」
「?」
おかしな事を言っているのはそっちではないか、とカイは思う。
「他のところで・・・それは、どこのことを言っているんだ?自分たちは死ななくてもよかった、他のやつは死んでもいい・・・そう、言っているのではないか?」
「っ・・・・・・」
言葉に詰まる。
何も言い返してこないカイを見て、男は言葉を続けた。
「結局は皆、自分が大事なんだ・・・君は、何も分かっていない。この研究には、子供の実験体が必要なのだよ?ここが犠牲にならなかった場合、他の子供たちが何人も死ぬ事になる・・・」
男は、間違った事は言っていない。誰だって、自分の命は大切。
誰かの死の上に成り立つ、誰かの生。
「残念だけどね、ここの者は皆始末するように言われているんだ・・・実験の目撃者を残すな、とね」
「・・・・・・・・・」
男はこの実験を成功させなければ、殺されるのだろう。そして自分は、この男のために皆と一緒に殺される。
それでもいいのかもしれない、とカイは思った。家族同然の仲間を失って、この先どう生きていけばいいのか分からない。
「・・・・・・最後に、言い残す事はあるか?」
男の胸ポケットから、黒い塊が取り出された。暗闇の中で光る銃口が、カイを見つめる。
ゆっくりと、目を閉じるカイ。しばらくそうした後、またゆっくりと目を開く。

「世界が、平和であらんことを」

そうして

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